読了しました。

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村松さんがプロレス、格闘技について一冊書き上げる。
これをどれほど待ち望んでいたでしょうか。



しかし、村松さんがプロレスについて筆を置いている時に
新しい書き手が次々に現れ、
名著を残しています。




特に今回のテーマにおいては
柳澤健さんが、綿密な取材を下敷きに
猪木対アリの真実を洗い直しています。

モハメド・アリ死去を受けての
テレビ朝日の猪木対アリ特番を観たことが
再びプロレス、格闘技について
筆を持つきっかけになったことが記されていますが
この『1976年のアントニオ猪木』
村松さんは読まれたのでしょうか。

そこがとても気になるところです。

気になるところではありますが、
そうした詮索も野暮なことかもしれません。

村松さんがプロレスや格闘技について書籍を残すことは
おそらくこれが最後になるでしょう。

村松さん自身も、自分へのけじめとして
キャリアの総括として
一冊残したかったのかもしれません。

当時の私は、嘲笑ぶくみの大バッシングに抗弁し、
試合を評価する言葉が絞り出せなかった。
これは“世間”に対する私の及び腰のせいでもあり、
“世間”の通念を撃つため
自分の頭の中に装填されるべき“言葉の弾丸”の欠如によるものでもあった。
忘れ物……と言えば体裁がいいが、“世間”の秩序感覚や通念による嘲笑、冷笑、酷評の大バッシングに対して、作家としていわば泣き寝入りをしたことになるのだ。

村松さんはこの作品で
自分の独特のアングルで
猪木対アリの真価を
改めて世間に問いたいと思ったわけではなさそうです。

少なくともボクはそう思いました。

プロレスの味方としての懺悔録ーー。

出発点はそこだったのでしょう。

昔、『ファイト』の井上義啓さんが自らを
アントニオ猪木弁護団団長
と称していましたが、
今のボクは
村松友視弁護団団長
といった気分かもしれません。

買おうかどうか迷っている人は
エピローグだけでも読んで下さいと言いたいです。

これについてはまた書きます。




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