いつもお世話になっている
新潮社のMさんが強力にプッシュしていたので
早速書店で購入しました。

売り切れ店続出のようです。

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Amazonより。

糸井重里、大根仁、小沢一敬、堀江貴文、会田誠、樋口毅宏、二村ヒトシ、悶絶! 昔フラれた彼女に、間違えてフェイスブックの「友達申請」してしまったボク。43歳独身の、混沌の一日が始まった。連載中からアクセス殺到の異色ラブストーリー!

案外とシンプルな内容紹介です。

この著者の燃え殻さんというかたは
いわゆるプロの小説家ではなく

都内で働く会社員。休み時間にはじめたTwitterで、ありふれた風景の中の抒情的なつぶやきが人気となり、多くのフォロワーを獲得。「140文字の文学者」とも呼ばれる。ウェブで連載した小説「ボクたちはみんな大人になれなかった」が話題となり、同作がデビュー作となる。

ということだそうです。

本当にそんなことってあるんですねぇ。
凄い!

さて、ボクも買ってすぐに一気に読み切りました。


世代的に近いせいか、
共感する部分が多かったです。


きっと色んな人が書評を残すでしょうが
ボクは一点、大好きな箇所があります。

一度、大雨の夜に、どうしようもない不安にかられて、
誰もいなくなったオフィスから
彼女に電話をかけた。
「不安でさ、この仕事をずっとやっていける気がしないだ。どうしよう」
まくしたてるボクに彼女は
「うんうん」
と繰り返し話を聞いてくれた。
そしてどんな愚痴でも、最後に
「キミは大丈夫だよ、おもしろいもん」
と言ってくれた。
自分より好きになった人の
なんの根拠もない言葉ひとつで、
やり過ごせた夜が確かにあった。

この小説の主人公(おそらく燃え殻さん)に対して
「なるほど! こいつは魅力がある。何をやっても大丈夫だ」
なんて感情移入できるくだりはどこにもありません。

そう、彼女が彼に言う
「おもしろいもん」
には根拠がないのです。


でも、だからこそ、このくだりには
胸が熱くなります。

我らが甲本ヒロトさんはよく、
「根拠のない自信」
と言っていました。
きっとそれは多かれ少なかれ
若い時は誰でも持っているものなのでしょう。

しかし、年をとるにつれ
根拠のない自信は
少しずつ、時にはゴリッと削られていきます。


眼を見張るような学歴もない、
みなが驚くような仕事の実績もない、
英語もしゃべれない、
たいした資格もない……。

ダメな理由は色々明確になってきます。

むしろ、
「キミなんかいらないよ」
「代わりはいくらでもいる」

という声は
ボクの周りだけではなく
社会全体で大きくなっている感じすらします。

でも、でも、一番大事なのは
誰しもが常に根拠のない自信を抱いて
一日一日をなんとかかんとか、
それこそ両者リングアウトでやり過ごすこと
だと思うのです。

またいつもの子どもの話になってしまいますが、
ボクはいつもうちの子に
「お前はみんなに好かれてるから
大人になっても幸せになっちゃうよ!」

と言っています。

そして、これも何度もブログで書いていますが
ボクが息子に贈る言葉、モノ、環境、
それらすべては
「お前は絶対にひとりじゃない」
というカタチをしています。


人を褒めるのに根拠なんていらない。
「大丈夫大丈夫」
と繰り返していればいいということを
この本は教えてくれます。

ボクにも、そう言ってくる人が何人かいます。

それで十分です。

いつもありがとう。

この本は当然、燃え殻さんの処女作ですが、
作家の樋口毅宏さんから強く小説を書くことを勧められたそうです。

そうしてバトンを預かった燃え殻さんもきっと誰かに、
「大丈夫、書けるから、大丈夫だから」
と伝えることになるのでしょう。

それは素敵なことだと思います。


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