身内に白血病患者がいます。

妻子ではないのですが
極めて近い人間です。

つい最近、無菌室に入りました。

会話はガラス越しです。

この内線電話を使って話します。

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でも、医療スタッフさん(看護婦でもナースでもないのね)からは
「ちょっと、これ、調子が悪くて声が小さくなっちゃうので
携帯でお電話されたほうがいいかもしれません」
と言われ、ボクと彼女はガラス越しに携帯で電話をするという
なんとも妙なシチュエーションで話をしています。


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部屋にはトイレもシャワーもあって、
基本的にはここから一歩も出られないようです。

最近、放射線を浴びているので
かなりぐったりしていたようですが
ボクが会った時は、わりと元気そうでした。

繰り返しますが、ガラス越しでの電話というのは
どうにも照れくさい感じです。

お互いについつい目線をそらしがちです。

それでも、実際に会っている時よりは
妙に会話も盛り上がるというか、
会話をするためだけに来ているので
お互いに多少、話が続くように
気を使っているのでしょう。

ボクはいつも思うのです。

全然実感が湧かないなと。

身内が白血病で倒れていても
我が家は小さい子どもが二人いて
とにかく毎日毎日賑やかなことこの上ないです。

彼女から見れば
ガラスの向こうの人間は
程度の差こそあれ、
自由に外を出歩くには十分な健康を有しているわけで
誰を見ても羨ましく思うでしょう。

でも、ガラスのこっちの人間も
それぞれに色んな事情を抱えていて、
ザラザラしたため息をつきながら
重い足取りで街を歩いているわけです。

なんなんやろなぁ、人生って。

帰り際、彼女はポツリと、
「まぁ、なんとかなるでしょ。
今までもそうだったんだし」
と言いました。

なんでガラス向こうの人間のほうが強いんだ?

俺はなにをやっとるんだ?
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