どうにも肛門が痒い。
いや、一時のピークは過ぎたのだけど
それでもまだ相当痒みが残っている。

言っておくが、変な病気をもらったとかいうのではない。
考えられる原因は二つ。
一つ目は自転車のサドルによる摩擦。
二つ目は軽いアトピー。
たぶんどっちもあるのだろう。
自転車に長時間乗った後でも
なかなかシャワーを浴びられないこともあるし、
ボクは花粉症もちだから
軽いアトピーも症状にあらわれる。

と、冷静に分析したところで痒いものは痒い。
朝起きて、近所の皮膚科に。
受付では、
「ちょっと皮膚科でお願いします」
と言っただけ。
若い女性だから恥ずかしかったのだ。
いつもヒマな病院なので、ほどなくして
「原さん!」
と名前が呼ばれ、診察室へ。

「どうされました?」
おじいちゃんの先生だ。
「ちょっとお尻が痒くて」
「臀部ですか、それとも……」
「あ、肛門の周りです」
食い気味にこたえるボク。
「じゃあちょっと見せてください」
と言われるやいなや、
ベッドの横でズボンを下ろし始めるボクを見て、
「あ、寝なくていいよ。
ここで見せて」
立ったまま……。
これは予想外だった。
ベッドでうつぶせになって
先生に身を任せていれば済むと思っていたのだ。
しかも、
「そのテーブルに手をついて」
これは完全にバッチコイのポーズじゃないか!
もうこんな姿、『Kamipro』のアイドル、
mimiproのカリスマ司会者なんかじゃない。
「今日からワシ、原ネコやき君や……」
そう、明日からは、島コブラなんかからは
「よう、ネコちゃん、元気ぃ!」
とか声を掛けられたり、
チョロあたりから
「ネコ兄さん、お金貸してください!」
とか言われることになるのだ。

そんな妄想を繰り広げつつも、
とはいえ、ここは病院。
変なことをされたり
教え込まれたりする場所じゃない。
意を決してベルトを外し、
ズボン、パンツをずり下げる。
肛門、喰らえ!
「ちょっと赤くなってますねえ」
ぬお!
いきなり素手で触診!
「おいおい、ボクがもしウンコした直後だったらどうするねん!
いや、逆にボクの肛門に変な菌でもついたら
やばいんちゃうの?」
そんなこと考えている間に
先生はぷにょぷにょと
指でつつく先生。
「痒いのはここ?」
「いや、先生もうちょっと下で」
「ん? どのへん?」
「だからこのへんで……」
と自分でも人差し指でぷにょぷにょ。
恥ずかしいというよりは不思議な気持ち。

触診が終わった後、
流水でちゃっちゃと指を洗う先生。
「いや、肛門触る前に洗うべきじゃないの?」
というセリフを飲み込むボク。

結局はステロイド系の塗り薬をもらって終了。
一日2回塗布するのだそうな。

明日からボクに会う人は、
「こんなこと言うてても、
この人、家に帰ったら肛門にクリーム塗っとんねんな」
とほくそ笑んでください。
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